専門家が解説!本によって犬のしつけ方法が違う理由

しつけ方法

はじめに


犬を飼っている、もしくは飼われたことがある方から必ず聞くことがあります。それは“しつけの本に書いてあることがバラバラで何が正解かわからない”というものです。

実際に犬のしつけ本の著者を見るとドッグトレーナー、動物行動学者、動物ライター、獣医師など多様な面々です。

ではなぜ動物のプロなのに意見が違うのか。今回は現役のドッグトレーナーがその疑問に答えます。

ドッグトレーニングには科学的根拠がない

意外かもしれませんが、実はドッグトレーニングには科学的な根拠はありません。

でもドッグトレーニングの本に“動物行動学や学習理論などの科学的な手法を用いてると書いてあるじゃないか“とお思いの方もいるかもしれません。

動物行動学や学習理論にはその理論を証明する裏付けはありますが、それをドッグトレーニングに応用した裏付けはありません。

そもそも“科学的”とはなにかというと、Microsoft bingによると下記のように説明されています。

「科学的」とは、考え方や行動のしかたが、論理的、実証的で、系統立っているさまを指します。【中略】例えば、ある事柄について考えたり調べたりする時、その方法が同じならば、いつ・どこで・誰であったとしても、同じ答えや結果にたどり着くことが再現性という性質であり、科学的な方法論の一つです。

Microsoft bing

注目してもらいたいのが“その方法が同じならば~”という一文です。

つまり“科学的”とは再現性が証明されたものを指し、証明されていないものは科学的とは言えないということです。

ドッグトレーニングにおいてはこの“再現性”を証明するのが困難です。その理由は再現性を示すには実証実験が必要なのですが、ドッグトレーニングにはその実証実験を行うことが出来ないからです。

もしドッグトレーニングの効果を確認しようするならば、全く同じ生育環境の犬達をドッグトレーニングをほどこしたグループとそうでないグループに分けて効果を観察する必要があります。

ここで問題なのが、観察する対象の犬を相当数用意しなければ実証実験の効果を証明出来ないということです。例えば新薬を開発するにしても膨大な数の治験データが必要なように、実験の対象数が少なければ個体差によるものとみなされてしまいます。

そんな犬を相当数用意する大規模な実証実験は世界中の誰も行っていません。

なぜ実証実験を行わないかは、莫大なコストをかけてドッグトレーニングの効果を示す実験を検証するメリットもないことに加え、動物学者の間でも犬は身近な存在なので研究対象にするのは一段低く見られるというのがあるようです。

つまり科学的なドッグトレーニングとは、科学的に立証された方法を応用しただけで、ドッグトレーニングの方法自体は科学的に立証されてはいないのです。

寝転ぶ犬

しつけ本は経験則で書かれている

ではドッグトレーニングの方法が科学的に立証されてないからといって、効果がないわけではありません。

例えるなら犬のしつけ本は健康食品やサプリと同じです。

つまり“効き方には個人差がある“この一言に尽きます。

犬にそのしつけ方法が合えば効果があり、合わなければ効果がない。たったそれだけのことです。

そもそも生まれもった気質も、育った環境も違うのに全ての犬が同じしつけ方法で効果が出せるはずがありません。

では著者は何を根拠にしつけ本を書きつづっているのか、その根拠の大半は経験談に過ぎません。

なので犬のしつけ本の内容にバラつきがあるのは当然です。なんせ経験談なんですから。

多数の犬

まとめ

いかがでしたでしょうか。犬のしつけ本はあくまでも一例にしか過ぎません、効果がなければ違う方法を試してみることが大切です。

色々な方法を試してみて犬の問題行動がなおらないというのであれば、経験豊富なドッグトレーナーに相談してみて下さい!

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