警察犬訓練所で学んだドッグトレーナーが解説!正しいチョークチェーンの使い方・つけ方

シェパード犬 しつけ方法


チョークチェーンと聞いてどんなイメージを持ちますか?

犬が可哀想、危険、虐待、プロしか使えないなど、ネガティブイメージばかりではないでしょうか。

インターネットや本で犬のしつけ方法を調べても、出てくるのはフードを用いた方法ばかりで、実際にチョークチェーンによるしつけ方法の情報はほとんど見当たりません。

今回はフードを用いた陽性強化と、チョークチェーンのしつけ方の両方を学んだドッグトレーナーの観点から、チョークチェーンの正しい付け方について解説します。

はじめに

そもそもチョークチェーンは犬の首をしめて罰するための道具ではありません。

インターネットでもチョークチェーンの危険性に関する記事は多く、それらに書かれている首の頚椎の損傷、視神経へのダメージなどの事例の原因は過度なチョーク(締め付け)によるものです。

犬の首に負担のかかる過度なチョーク(締め付け)は身体的な負荷はもちろん、犬と人との信頼関係の崩壊や、犬が自ら考えることを放棄する原因ともなるので誤った使い方と言わざるをえません。

チョークチェーンを使うのであれば、常に犬に身体的・心理的な負荷をかけ過ぎないことを念頭に考えなければなりません。

チョークチェーンの特徴

チョークチェーンが首輪やハーネスと明らかに違う点は二つです。

一つ目は「人の意志を犬に明確に伝える事ができる」


二つ目は「犬の行動を制御でき、人に管理される意識を養うことができる」

ドッグトレーニングの本質は「人の都合を犬に教え、それに従ってもらうこと」にあります。犬の生態を考慮して運動や食事などの生育環境を整える必要はありますが、犬はあくまでも人間社会の中に生きる動物です。


ちょうど子供が親に甘やかされすぎると、学校や社会に出たときに自分の思い通りにならずにストレス感じるように、犬も自由にさせすぎてしまうと思い通りにならない時にストレスを感じてしまいます。

犬の精神構造は複雑なので、ストレスからうつ病を発症してしまうケースもあるほどです。

飼い主が犬に“やっても良いこと・ダメなこと”を教え、適切に管理することは人間のエゴではなく犬が快適に人間社会で暮らすためには必要なことです。

リードにつながれている犬達

チョークチェーンの道具の種類・つける向き

チョークチェーンに代表される引き締めるタイプの道具は全部で3種類あります。

  • チョークチェーン(金属製)
  • ハーフチョーク(金属と布を組み合わせたもの、もしくは布のみ)
  • スリップリード(布製、リードと一体型)

チョークチェーン・スリップリードは犬を左右どちらにつけるかによって、つける向きが異なります。つける向きを間違えるとチョークチェーンが緩むことなく、しまったままになってしまうので注意が必要です。

※ハーフチョークは犬を左右どちらにつけても大丈夫です。

例えば左側に犬をつける場合、チョークチェーンの正しいつけ方は正面から見て「P」の形になるようにします。
※右側に犬をつける場合はチョークチェーンは逆向きになります。

チョークチェーンの正しい使い方

そのまま正面から犬の首に通します。


チョークチェーンの正しいつけ方・使い方



このようにつけるとリードを緩めた際に、チョークチェーンが緩みます。

チョークチェーンの正しいつけ方

間違ってつけた場合はリードを緩めてもチョークチェーンは締まったままです。

チョークチェーンをつける位置

意外と知られてはいませんが、チョークチェーンを使用する上で最も大事なのはチョークチェーンをつける位置です。


トップリードと呼ばれる位置で、犬のアゴのすぐ下にチョークチェーンがくるようにします。

※言い換えるとチョークチェーンがこれ以上あがらないという位置です。
写真はスリップリードを使用していますが、位置はトップリードを保持しています。

チョークチェーンをつけての犬の散歩

この位置がズレてしまうと、効果を発揮するどころか逆にマイナスの影響を犬に与えてしまう恐れがあるので注意が必要です。

トップリードにする意味

トップリードにする意味は2つあります。

一つ目は“犬の呼吸を楽にすること”

実際に自分の首を締めてみるとわかりますが、締める位置がアゴのすぐ下の場合は呼吸は出来ます。しかしながら、締める位置を下げのど仏付近を締めるとどうでしょうか? 気道が締まり、息苦しくなるかと思います。

犬も同様にチョークチェーンが下がり、のど仏付近を締めてしまうと苦しいので必ずトップリードにするようにします。

二つ目は“犬の身体をコントロールしやすくするため”

チョークチェーンの位置が下に下がってしまうと、首が振れるので犬の身体もある程度自由に動けてしまいます。

トップリードにし、首から上をコントロールすると身体のコントロールが効くようになります。例えば犬が興奮した際に落ち着かせるために座らせたり、飛びつきを抑制したりすることが可能になります。

余談ですが犬に限らず首から上をコントロールすることは動きを制御するのに有効です。馬もハミを口にくわえさせて、首から上をコントロールすることで馬の動きを制御しています。

馬

リードの持ち方・張り具合

犬を右側につける場合、左手はリードを上から掴みます(鉄棒でいうところの順手の持ち方です)。
右手はリードを束ねて持つようにします。

慣れるまでは緊張で腕に力が入ってしまいますが、その緊張感が犬に伝わってしまうので最初は意識して力を抜くようにすると良いです。

チョークチェーンをつけての犬の散歩

そしてリードの張り具合は、トップリードを常に保てるようにするのがポイントです。リードの張りが緩み過ぎてしまうとチョークチェーンがアゴの下からさがってしまいます。これでは犬の首を締めてしまい、コントロールも出来なくなってしまいます。

またリードが緩んでいると、拾い食いも自由に出来てしまいます。

リードの張り具合の理想は犬の首が下に振れた時にわかる程度に緩めます。

最初にうちはリードにしるしをつけたり、結び目をつくって持つ位置を安定させるようにすると良いです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回はチョークチェーンの正しい使い方・付け方について解説しました。

ただチョークチェーンを付けるだけでは意味がないことをご理解いただけたかと思います。チョークチェーンの扱いは難しいとされていますが、正しい付け方をするだけでトレーニングの質はグッと上がります。

でも一番大事なことは自分の愛犬に合ったトレーニング方法を実践することです。もしチョークチェーンの使用にかんして判断に迷ったら専門家に相談をすることをおすすめします。

WEBで結果確認可能な犬の遺伝子検査【Pontely】


ペットも自宅でおうち美容♪5つの美容機能搭載!本格美容器【CHUCCCA dry spa】


ブッチ ドッグフード