専門家が教える!なぜあなたの犬は言うことを聞かないのか

しつけ方法

はじめに

“犬が言うことを聞かない”
家族が皆同じように指示を出しているはずなのに、人によって言うこと聞いたり、聞かなかったりする。

私も出張ドッグトレーニングで伺うと飼い主さんからは「この子はきっと私のことを下に見ているのよ」「バカにされている」という嘆き節をよく聞きます。

これだけドッグトレーニングが研究され、技術的な面も成熟しているはずなのに犬が言うことを聞かないのは不思議ではありませんか?

今回はなぜ犬が言うことを聞かないのかを専門家の立場から、わかりやすく説明します。

犬が言うことを聞かない原因とは

まず犬が言うことを聞かない原因はおおまかに4つに分けられます。

一例として“おすわり”を指示した際に犬が言うことを聞かなかったとします。

  1. “おすわり”の意味を理解していないので、犬に指示をしてもすわらない
  2. 飼い主の指示が不明確で、犬に指示が伝わっていない
  3. 犬が“おすわり”を聞く状態にない。
    ※犬が他の物事に気を取られていたり、極度に興奮していたりすると飼い主の指示が犬に届かないことがあります。
  4. 犬がすわりたくないので、指示に従わない。

1と2は犬や飼い主が再度“おすわり”のしつけの練習をすることで改善は可能です。また3に関しても落ち着いた環境で指示をすれば良いだけです。

そして一番問題なのが“おすわり”の意味を理解しており、なおかつ指示が聞ける状態にあるにも関わらず言うことを聞かない4です。

ではなぜこのようなことが起こるかというと、それは犬が社会的な動物であり、人の感情を見透かすことに長けていると言えるからです。

犬は人を見て行動を変えている

近年の研究では、犬と人間の関係性は上下関係ではなくゆるい家族のような関係性だと言われています。

ただ関係性が上下関係ではないとしても犬は平等に人に接することはなく、人によって態度を変えています。

犬は社会的な動物であり長年人と一緒に暮らしてきたので、人の行動をよく観察するように遺伝子レベルでプログラミングされています。実際に犬を飼っていると彼らの洞察力に感嘆する場面も多いはずです。

犬のしつけ本やyoutubeの動画などでしつけの方法論は数多く目にする機会はありますが、実際にその通りにいくことは少ないです。

犬に対して“何をする”かは重要ではありますが、同じくらいに“誰がするか”も犬が言うことを聞くかどうかの重要な要因です。

犬をかわいがる夫婦

犬は人の何を見て言うことを聞くのか

では犬が言うことを聞かない人にはどのような特徴があるか説明します。

犬は人の心を見透かすような部分を持っていて、飼い主の“本音”を見ています。

仮に犬におすわりをさせたいとします。言葉では「おすわり!」と言うことを聞かせようとしていますが、言うことを聞かない犬の飼い主さんは心の奥の本音では別のことを思っていたりします。

例えば、、、

「別におすわりをしなくても仕方がない」
「犬に嫌われたくない」
「周りの人に怖い飼い主だと思われたくないから、強くでたくない」
「ダメなわが子がカワイイ」

結局のところ、犬は飼い主のそうした本音をきちんと見抜いていて言うことを聞かないのです。

特に気の強い性格や頭の良い子ほどその傾向は顕著で、自分の我を通すところがあります。

犬に言うことを聞かすには

きれい事をなくして言えば、犬のしつけとは“人の都合に従ってもらう”ことです。

犬に言うことを聞いてもらいたいのであれば犬の都合に合わせるお願いベースではなく、しっかり指示を聞かせるようにします。

例えば犬におすわりの指示をしたら途中でやめるのではなく、最後まで完遂しなくてはいけません。
もし途中でやめたら犬からは“別にこの人の言うことを聞かなくても大丈夫だ”と思われてしまいます。

一度犬からこのように思われたら、例に出した“おすわり”だけでなくあらゆる場面で言うことを聞かなくなっていきます。

ただし犬に対して厳しくするだけではダメで、飼い主の指示を聞いてくれた犬に対してはしっかりと褒め、感謝の意思を示す必要があります。

犬が言うことを聞いて当たり前、やって当たり前では良い関係は築くことが出来ません。

冒頭で犬のしつけとは“人の都合に従ってもらう”ことと書きましたが、犬からしたら人の言うことを聞く義務なんてありません

なので犬に言うことを聞かせる時はしっかりと聞かせ、聞いてくれたら褒めることが良い関係性を築くのに大切になります。心持ちとしてメリハリのある態度だと、犬に理解してもらいやすいです。

また犬は非常に一貫性を大事にしています。気分屋さんで指示に一貫性がないと、犬からの信頼は一気になくなってしまうので注意が必要です。

犬をほめている

まとめ

いかがでしたでしょうか?“心技体”という言葉がある通り心がともなっていなければ、マニュアルにそった技術だけでは犬が言うことを聞かないのがご理解頂けたかと思います。

人の子供と同じよう甘やかすだけではダメなように、メリハリのある態度がしつけを成功させる鍵となっています!

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